うつ病の身体症状について

 うつ病というと、憂うつさを訴えて仕事や家事ができなくなってしまう“こころの病気”と考えている方が多いと思いますが、うつ病初期は実に90%以上の方が、からだの不調を訴えて内科、整形外科、婦人科等、“こころ”を専門にする科以外の医師を受診しています。
 近年、うつ病はストレスによって脳にあるセロトニンやドーパミン等、神経伝達物質の働きに乱れが生じ、脳が一時的な機能不全に陥った状態であることがわかってきました。神経伝達物質はこころの働きと同時に、体の働きもコントロールしていますから、その働きが乱れるうつ病では、こころだけでなく、体のいろいろな部位の働きも乱れがちとなり、様々な体の不調がでてくるというわけです。
“うつ病”と間違えられやすい内科の病気(甲状腺機能低下症やパーキンソン病等)もたくさんありますから、体の不調が続く場合は、まずは信頼のおけるかかりつけ医やそれぞれの症状に応じた専門医を受診することが重要です。異常がないと言われた場合、ドクターショッピングをするのではなく、うつ病の可能性を考えてみることが大切です。
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